シンプリチオ－雑記

山岸外史
〈人々は、ぼくをも含めてですが、この時代のなかで、自我喪失になっていると思うのです。みんな時代に便乗していると思うんだ。習慣的に、習慣的な自我を過信しているのですね。その錯誤のうえにたって、自分の正体を凝視もしないで生きているのですよ。いい加減なんだ〉

非難されてるものであれ賞賛されてるものであれ「ある時代特有の生き方」なんてもう幻想なんじゃないかと…。人間て大して変わってなくないか。むしろ差別を見つけるならその「気分」にだろう。そしてそれだけにだろう。

太宰は上の外史のことばのあとに「あなたには混乱があるませんか」 と訊いた。らしいよ。